休館ホテルに今も配湯
再生始動 よみがえれ 鬼怒川温泉 7 平成14年7月4日記事
街全体で効率活用されず
「二十一本の源泉のうち、九本は休止または枯れている」 六月の藤原
町議会一般質問。 八木沢昭雄町長は鬼怒川温泉の源泉に触れた。
温泉街に湧出する源泉は十二本。町が一本、第三セクター二本、残り九
本はホテルなどの企業が持っている。
約二年前に休館したホテル水明館。 無人の浴槽に今も温泉が流れ込
んでいる。「鬼怒川の財産である温泉をもっと有効利用すべき」。 管理を
任されている元支配人は、浴槽に手を浸し、やるせない思いを訴えた。
客が減り始めた一九九四年、鬼怒川・川治温泉九十五件の宿泊施設に
浴場は計四百七箇所あった。 昨年までに八十八軒に減ったが、逆に浴
場は四百五十一カ所に増えた。
景気後退で客室の増築を手控えて十年。その間も浴場数に温泉量が
追いつかなくなった。 源泉の権利問題なども絡み、温泉街全体で温泉
が効率的に使われていないことも背景にあった。
「源泉は枯れているんでしょ」「沸かし湯らしいよ」。 ホテルが建設され
るたびに風評が流れた。
本物目指し設立
ホテルが増築合戦を繰り広げていた八七年。 観光施設整備を掲げ、
第三セクターで「鬼怒川・川治温泉観光開発」が設立された。 藤原町
足利銀行、東武鉄道などが出資した。
当時の藤原町町長で、星のや旅館の星光二さん(八六)は「湯が偽物
と風評が立った。源泉をすべての旅館に配湯して本物を強調したかった
。 きちっと入湯税も課税できる」と設立時を振り返る。
これにより源泉二本から、総延長十キロの配湯パイプラインが敷設され
た。「三十五件の旅館に毎分八百リットルほど配湯している。(一軒当た
り二十二リットル?)浴場が増えたので三本目の源泉掘削を検討してい
る。」(同社)
情報公開に関心
入浴施設九十数件のうち昨年度、入湯税を納めたのは七十八軒。
「課税しない施設は温泉とみなしていない」(藤原町)。全施設温泉には
至っていない。
宮崎県の温泉施設で二○○二年.、レジオネラ菌感染で七人が死亡。
その後も各地で相次いだ。
循環・ろ過装置の消毒不徹底などが指摘され、掛け流し、循環、沸か
し、加水など湯の「扱い方」が問題となった。
温泉法は成分の義務付けだけで、加熱、加水、循環の有無など、湯
の”加工”は法の縛りがない。
全国の旅館で組織する日本温泉協会が昨年春、加水や循環の有無
をランク付けした新指標を作成した。 全国の約三百施設が賛同し、鬼
怒川温泉で唯一、名を連ねたあさやホテルは「湯に関心の高いお客様
に新しい指標を示すべきと考えた」と前向きの姿勢を示す。
最近、温泉街の公営観光案内所に、循環湯かどうかなど問い合わせ
が入るとゆう。 客のニーズは「温の情報公開」にも向いている。
スクウェアヒルズのオーナーの一言
源泉二本を掘って、十キロの温泉パイプライン?ですか。 鬼怒川温泉
の源泉温度は,26〜45度前後のはずです。(内一本は源泉温度26度で、
体感温度は水です。) こんな長いパイプラインを通過した源泉の温度、
すなわち、三十七軒に到達した時の温度を想定すると、全て加熱しないと
使い物にならないこと、また一軒当たり毎分二十二リットル(毎分800リット
ル÷37件)では、循環式にしないと十分な湯量が保てないことが明白にな
ったといえるのではないでしょうか?
また、残りの源泉10本ですが、町内の源泉で他の宿泊施設にほとんど
配湯せずに掛け流しで営業している所が3軒で、配湯はしているが温泉街
に配湯していない源泉が2本、そして町の保有する源泉は、鬼怒川温泉街
とは程遠い、三依地区の「男鹿の湯」(源泉温度27度ですので当然加熱湯
)です。 よって、温泉街で使用している源泉は残りの4本以下とゆうことに
なります。
すなわち、入湯税を納めている宿泊施設七十八軒から三十五軒を引い
た四十三軒が4本以下の源泉より湯を引いていることになります。
そして、単純に源泉一本当たり毎分400リットルで計算すると一軒当た
り毎分三十七リットルで、実際は源泉を保有する宿が当然多量に使用し
た残りを配湯するので20リットルあるかどうかでしょう。
*「(400×4)÷43=約37リットル」*
実際の温泉の配給は、契約口数によって配給量が決まりますので、こ
の半分以下のところが多いでしょう。
宿泊施設は、基本的には、最大可能収容人数に応じた浴槽を所有しま
す。 すなわち多くの宿が、掛け流しは不可能となります。
当然、源泉を所有するホテル旅館であれば優先的に源泉を確保できます
ので、掛け流しも可能で、星のや旅館とその他数件の宿はそれにあたるわ
けです。
また、源泉から100m以内の宿泊者数を抑えた8室以下の宿であれば、
毎分二十二リットルでも掛け流しは可能でしょう。 ただし、源泉温度が45
度前後の高温泉の場合にかぎります。源泉温度26度の方だと、加熱が不可
欠ですので、当然循環式です。)
よって、ほとんどの大型ホテル旅館の大浴場(大型浴槽)が循環式といって
過言ではないのです。
鬼怒川温泉再生の第一の課題は、これまでのような団体客を対象とした
収容人数(箱の大きさ)ではなく、温泉の本物志向を望む、個人客に満足い
ただける温泉の質、すなわち「源泉100%完全かけ流し温泉」であることなの
です。
「自然を楽しみ源泉100%かけ流し温泉に入るなら鬼怒川温泉である」と
ゆうブランドの確立が再生の絶対条件の一つなのです。豪華施設の水割り
温泉なら、都市部にはスーパー銭湯や温泉センターとゆう形で沢山あるの
です。
また、バブル期に、足利銀行ともたれ合いの関係を持った大型ホテル旅館
の多大な債務と過剰在庫(客室)が現在の宿泊業のデフレを生み出したので
すから、これらの削減が、当町の将来を見据えた、再生には必要なのです。
廃墟となったホテル旅館は、例えば「ショッピングモール」や「映画館」のよ
うな、これまで温泉街になかったミニテーマパークとして再利用すればよいの
です。 ここには、新しいビジネスチャンスが内在しているはずです。箱は、競
売で格安になるはずですよ。
また、町が何本源泉を掘ろうと、大元の源泉には限るがあるはずです。源泉
の配湯件数が、このチャンスに削減されれば、一軒当たりの配湯量は2倍以
上に改善されることは必定です。
よって、鬼怒川温泉のブランド化と観光客にとって魅力ある鬼怒川温泉に再
生されることも可能となるのです。
日光の「ホテル四季彩」だけで12億円の国税の投機が必要だとすれば、鬼
怒川温泉の巨大旅館や.ホテルの再生には、いくら必要になるのか?一地域
の再生のために巨額の国税が使われるのです。
(2005年1月現在、半国営銀行である足利銀行は、あさやホテル(従業員10
0人)に200億、鬼怒川プラザホテル(従業員40人)に78億、鬼怒川グランドホテ
ル(従業員75人)に38億の債務免除を決定している。今後7件の大型ホテル旅
館の債務免除がされる予定らしい。210人の事業所に310億円の国民の血税を
使うのである。1人当たり1億五千万円の債務が免除され、これまでどうりの生
活と職場が保障されるようなものです)
一部の利権者を満足させる方法ではなく、地域の人が、平等な資本主義社
会に夢を持てる、将来を見据えた効率的で実現可能な地域再建策を考えても
らいたいものです。
必ず宿泊しなくても、そこに立ち寄るだけでも楽しい、また2〜3日滞在してみ
たくなる町になることが、私が鬼怒川温泉そして藤原町に、ここで生まれた者と
して望むことなのです。
コンドミニアムは、私個人のできる地域再生の為の試作の一つであると考え
ております。
スクウェアヒルズには温泉は引いてないがゆえ、お客様に堂々と当地区に数
件しかない「源泉100%完全かけ流し温泉」を紹介できるのです。レジオネラ菌
の心配もいらないのです。
スクウェアヒルズは、自炊施設なので、お客様には、県内の美味しいお米や
地酒情報をお教えしてます。温泉街のホテル旅館に泊まる方々のように、地元
じゃ売れない低級米を食べさせられることはありません。
食材だって地元スーパーで安く良い物を購入して食べられるのです。「ベニズ
ワイガニ」や「底上げで少量の栃木牛」、マツタケご飯の素に、エリンギ、まつたけ
フレーバー類などで「松茸料理」をごまかされることもないのです。 冷めた、てん
ぷらはおいしいですか? 「天然きのこ」なら、私が採集場所をお教えしますし、
選別もしますよ。
多大な負債を抱え、巨大豪華宿泊施設を作り、宿泊者のお金は宿の外では落
とさせない。そうやって、近隣の商店街を崩壊させたことが現在の鬼怒川温泉街
の崩壊の元凶なのです。昔は、浴衣を着て温泉街をそぞろ歩く観光客の風景が
ありました。
も ど る